裁判員制度

2009/05/14 木曜日

今月21日に実施される裁判員制度について、NHKが行ったアンケートによると、制度導入について否定的な回答が多いとのこと。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015959181000.html
新制度の実施間際に批判の声が高まるというと、あの長寿保険制度の導入時を思い出すが、個人の負担が増える制度改正については、よほど上手にその趣旨を説明しない限り、賛同を得るのは難しいのだろう。(賛同などなくとも、実施してしまえばこっちのもん、ということかも知れないけれども)
ところで、今回のNHKのアンケートでは、①裁判員として参加したいか、②制度として必要か、③正しい判決を出すことができるか、という3つの質問が行われている。このうち、①と③は、裁判員に選ばれた場合の話だが、裁判員制度関連のニュースのほとんどが、「貴方が裁判員に選ばれたらどうするか」という点ばかりをクローズアップしている。
当然のことながら、裁判の結果に最も影響を受けるのは、事件の当事者である被害者であり、加害者であり、その親族である。その判決に関与した裁判員ではない。より適正な裁判を行うための制度改正であるならば、まずそれら当事者の立場でその制度の適否を考えるべだろう。
自分が裁判員に指名されることはイメージできても、当事者になることをイメージできないほど、我々は想像力に乏しいわけでもない。(想像して楽しいものではないことは確かだが。)
「あなたが万一、被害者あるいは加害者になってしまった場合、これまでの制度と裁判員制度とでは、どちらの裁判を選ぶか」
本来聞くべきは、この問いであるのではないだろうか。
ちなみに、私は、最近の検察モノの本や映画『それでもボクはやっていない』などの影響もあってか、多分裁判員制度を選ぶような気がする。
(望月)
*本文一部修正しました。