人的控除一覧表(令和7~8年分)
2025/05/09 金曜日昨年公表された令和7年度税制改正大綱に、今年に入ってから「103万円の壁改正」に修正が加わり、ようやく令和7年以降の所得税の人的控除の全貌が明らかになった。
「103万円の壁改正」の修正で基礎控除が見直され、我が国の人的控除の複雑(怪奇)さ、わかりづらさはさらにグレードアップされた。
ここで「人的控除」とは、人の事情・状況に係る所得控除で、具体的には基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除をいう。給与所得控除や医療費控除などは含まれない。
現在の人的控除制度がわかりづらくなった原因の一つは、近年の人的控除に関する税制改正の頻度の多さだろう。
扶養控除については平成時代に数回の改正が行われ、特に年少扶養控除や特定扶養控除については制度を創設したり廃止したりで目まぐるしかった。
また平成29年度改正では配偶者控除関連で、平成30年度改正では基礎控除関連で、所得制限を含む大きな改正が行われた。
さらに控除額が一律ではなく、納税者本人や配偶者等の所得金額によって控除額が異なるものが増えたこともわかりづらくなった一因になっている。
配偶者控除、配偶者特別控除においては、本人と配偶者の所得金額の組み合わせにより控除額が決まるマトリックス型だ。
現行の人的控除制度において、所得制限や所得要件のないものは納税者本人に係る障害者控除だけである。(配偶者や扶養親族に係る障害者控除には配偶者等の所得制限がある。)
ということで、前回のブログではもはや人的控除の体系を一覧表にすることは難しいと書いたが、作れば少しは頭の整理ができるかもしれないという淡い期待のもと、半ば強引に人的控除一覧表を作成してみた。
間違いなどあればご指摘いただければ幸いである。
これでも作成するのにそれなりの時間を要したわけだが、AIに頼めばもっとスマートな一覧表を一瞬にして作ってくれるのかしらん。
(望月)