登記手続方面の改定

2011/08/12 金曜日

登記手続方面において、今年は(知らぬ間に)色々と改定があったようなので整理しておきたい。

●登記手数料の値下げ

平成23年4月1日より一部の登記手数料が値下げされた。例えば(法人及び不動産の)登記事項証明書の手数料については、下記のように改定されている。

  • 書面(窓口)請求 1,000円→700円
  • オンライン請求+郵送受領 700円→570円
  • オンライン請求+窓口受領 (新規)550円

改定手数料一覧

値下げと共に、「オンライン請求+窓口受領」が新設されたことで、請求・受領のパターンは3つに増えた。しかしながら、オンライン請求により電磁的な登記事項証明書が直ちにオンラインで受領できるまでには依然として至っていない。

オンラインで登記事項の内容だけを確認したいという場合には、「オンライン登記情報提供サービス」というものがある。今回はこの手数料についても改定が行われた。

  • 例)全部事項 457円→397円

ちなみに約10年前、このサービスが開始された当初の料金は980円だった。

なお、民間の企業情報の提供サービスとして、例えば帝国データバンクの企業情報データベースの検索システムというものがあるが、その利用料金は480円/社である。

●登記印紙の廃止

登記特別会計が2010年度をもって廃止され一般会計に組み込まれたことに伴い、登記印紙は収入印紙に統合されることになった。これにより平成23年4月1日以後の登記手数料はすべて収入印紙で納めることになる(迷わなくて済む)。ただし、すでに発行済みの登記印紙は当面有効である。

登記印紙の取扱いについて(法務省)

ちなみに、登記印紙は法務省の発行で、収入印紙は財務省の発行である。 また収入印紙は1円~100,000円まで計31種類あるのに対し、登記印紙は100円~10,000円までの計10種類しかない。

●オンライン申請システムの移行

平成23年2月14日から法人登記等のオンラインによる申請システムが下記のように変わった

「法務省オンライン申請システム」⇒「登記・供託オンライン申請システム」

不動産登記、商業・法人登記、動産譲渡登記、債権譲渡登記を先行させ、成年後見登記、供託手続、電子公証は平成23年度中に受付開始予定。

●登記情報提供システムの更新

現在「オンライン登記情報提供サービス」についても更新作業を行っているようである。色々な機能強化が図られ、平成24年2月20日にシステム稼働の予定。

●その他

法務局のコンピュータ化により、登記事項は「登記簿」という紙ベースの帳簿から電磁的な記録による管理に移行してきた。これによって登記簿の写しという意味の「登記簿謄本」も「登記事項証明書」という言い方に変わった。(随分と前に)

しかし、今でも「登記簿謄本」や「謄本」という言葉は一般に十分通用し、むしろそちらを使うことの方が実際にはまだまだ多いようである。「全部事項証明」より「戸籍謄本」の方が圧倒的になじみがあるし、「トウホン」って何だか小気味良くて呼びやすいのだ!(きっと)

(望月)